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ノビリス(T-100)ラビットアイ

樹形は大型、果実は大粒で美味しい
収穫時期 7月中旬から8月中旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2006年
栽培本数 51

【総評】

荒々しい樹形でブルーベリーの中でもっとも巨木になる。果実サイズも大粒。食味は成熟初期はクセがあるが、完熟時は甘くて美味しくなる。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは大粒。ラビットアイ系では1番手タイタン、2番手コロンブスウィトゥ、そして3番手のマルとノビリスの順。

美味しさは、成熟初期の7月中旬頃はクセのある味で、正直、微妙な味わいで好き嫌いがわかれる味。これが梅雨明け1週間もすればまろやかな甘さの美味しい果実になる。だから食べるなら7月末頃からがおススメだ。

 

【収穫量・育てやすさ】

収穫量はやや多い程度。巨木なのでたくさん実を付けそうな気がするが、そもそもは花芽の数が少ないので収量が多い品種とは言い難い。

育てやすさは、ブルーベリーの中でもっとも巨木になるくらいなので、生育旺盛で育てやすい。ただ枯れずに大きく育つという意味ではその通りだが、日々の手入れがラクか、という意味では面倒な特徴がいくつかある。

まず、樹形が荒々しく暴れやすいので、剪定で樹形を整える必要がある。下の6枚目の写真のように縦にも横にも伸び放題で、通路を塞いだり、防鳥ネットにひっかかったりと厄介なので、冬の剪定時にこまめにハサミやノコギリを入れなければならない。

また主幹が1本仕立てなので、台風時に要注意。ラヒティフブルーのように無数に株元からサッカーが出ているものは、重力が分散されているので台風時でも問題ないが、ノビリスは主幹1本で立っていることが多く、全体重が主幹1本にのしかかっているので、株元からボキッと折れやすい。2009年に大型台風の通過時にもっともノビリスが被害を受けた。対策としては丈夫な支柱を立て、しっかり固定すること。

さらにサイズのところにも書いたが、花芽がそもそも少ないので、剪定であまり花芽を切除しない方がいい。樹勢は強いので、実の付きすぎで樹勢が弱ることは考えにくい。

最後に果実品質について長所短所1つずつ紹介する。長所は、雨による裂果が少ない点。ラビットアイ系ではもっとも雨に強いのでとても助かる。房なりせずに果実が密集していないからだと考えられる。短所は、猛暑に弱い点。10日以上雨が降らずに猛暑日が続くと果実が柔らかくなり、やがてシワシワになる。下の写真4枚目を拡大するとわかるが、いくつかシワシワになっている。シワのある果実は、干しブドウのように甘くてとても美味しいのだが、見た目が良くないので、どうしても商品価値が下がってしまう。

(2022年追記)
樹勢が強く、荒々しいくらいだが。果実品質がイマイチ、裂果が早い。そういう意味ではラビットアイ系の主力品種にするのは難しい。

 

【収穫期】

7月中旬から。意外に果実の落果は早く、ギリギリお盆までもつ程度。

 

【最後に】

ノビリスという名前は通称で誰が名付け親かは不明。この品種は、正式に品種登録されることなく、開発段階で日本に入り、高い評価を受けて広く栽培されるようになった。T-100というのは開発コードナンバーで、T-1がウッタード、100番目がこのノビリス。従って、アメリカ生まれだが日本で花開いた日本固有の品種とも言える。

 

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