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ラヒラビットアイ

美味しさ、育てやすさなど、すべてにおいて最優良品種
収穫時期 8
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2006年
栽培本数 101

【総評】

これほど生産者にとって頼りになる存在の品種は、他にはない。すべてにおいて最高ランクの存在。個人的にはイチ押し品種。お客様にとっても、生クリームのような味わいの美味しさなどファンは多い。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは、中粒と大粒の中間、やや大粒といったところか。ブルームが多いので果実は白っぽい。
美味しさは、なんとも言えないマッタリした甘さが特長。「生クリーム」を食べているような味わいで、女性ファンが多く、毎年8月に足を運んでくれる常連の女性客が多く存在するくらい。欲をいえば、少しピリっとした酸味のようなものが欲しいところだ。果実は硬いので、パリッとした食感で口当たりがいい。

 

【収穫量・育てやすさ】

収穫量は、安定して多い。そもそも花芽の数が少ないので、極端な豊産性ということはないが、安定してたくさん実を付けてくれる。

育てやすさは、抜群に安定している。この農園で100本以上栽培しているのは、ブライトウエルとラヒの2品種のみ。絶大な信頼があるから、たくさん定植したというという理由もあるが、両者ともまったく枯れないので本数が減らないという理由も大きい。ブライトウエルは、定植後10年もすると樹勢が弱ってくる傾向があるが、ラヒは10年以上たってもまったく樹勢に衰えがなく、シュートやサッカーが無数に出て、定植3年目4年目の若木のような元気さがいまだに健在。

ラヒ特有の個性的な特長があるので、以下書き添える。

ラヒは花芽の数が少ない。通常花芽は太い新梢につくものだが、この品種は逆で、太い新梢にはあまり花芽はつかずに、細い枝によく花芽がつく傾向がある。マッチ棒や爪楊枝クラスの細い枝にも当たり前のように花芽がつく。また花芽から10個程度の花が咲き結実するのが一般的だが、ラヒは6個程度しか花→結実しない。

従って、剪定もラヒだけは通常の剪定方法と異なるので注意が必要。そもそも花芽の数が少なく、結実数も少ないので、花芽はほとんど残す必要がある。一般的に剪定では、花芽は半分以下に減らすことになるが、ラヒは90%以上は残す感じ。マッチ棒クラスでも剪定せずに残すことが多い。そうしないと収穫量が少なくなってしまう。ということは、剪定は極めてラク。通常1本のブルーベリーに20分程度かかるが、ラヒは4,5分で終わってしまう。手入れがラクという点もラヒの良さの1つ。また花芽が少ないという意味でデメリットなのは、定植して5年くらい、成木になるまでは収穫量が少なめであることだが、これは成木になってしまえば解消する。

雨による裂果にも強い。割れないわけではないが、少々の雨なら大丈夫。また割れ方が果実に横線が入るような切れ目ができる独特な割れ方をする。裂果が少ないのは、房なりしないからだろう。下の写真を見ていただければわかるよう、ブドウのような房なりはせずにまばらに無数の果実が成っていることがわかるだろう。

 

【収穫期】

7月中旬から8月下旬。6週間にわたる長い収穫期間は、バルドウィンメンデイト同様に観光農園には助かる存在。特にラヒは品質の劣化もなく6週間の長きに渡り美味しいブルーベリーを実らせてくれる格別な品種。

2020年7月はこの地方では、観測史上最多の雨量を記録する散々な梅雨だった。梅雨明けも8月にずれ込み、裂果が酷く、大半を捨てざるを得ない状況。そんな中でも変わらずたくさんのブルーベリーを実らせ続けてくれたのは、ほかならぬ”ラヒ”のおかげだ。ラヒがなければお盆16日で営業終了せざるを得なかったが、ラヒが頑張ってくれたおかけで23日まで営業できた。

 

 ———–(コラム:兄弟品種マルとラヒの徹底比較)————- 

両者は1991年ニュージーランドで発表されたプレミアの実生で兄弟品種。血が濃い割にはまったく兄弟とは思わせないくらい異質だ。

■サイズ マル>ラヒ
■美味しさ
成熟初期 マル<ラヒ 成熟後期 マル>ラヒ
マルは成熟後期に劇的に美味しくなる、ラヒは初期からまったり甘い。

■収穫量 マル>ラヒ
ラヒも安定して多い収量だが、マルは極めて多収。マルは房なり、ラヒはまばらな成り方。

■果実品質 マル<ラヒ
マルは猛暑、雨に弱い。

■収穫期間 マル<ラヒ
スタートはともに7月中旬頃、収穫期間はマルは4週間、ラヒは6週間。

■樹勢・育てやすさ マル=ラヒ ともに剛健。

→マルのページへ

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【最後に】

ラヒには本当に助けられ、全幅の信頼を寄せている。ラヒのような位置づけの信頼できる品種をハイブッシュ系で探しているが、いまだに見つからない。永遠の課題。

(1991年 ニュージーランドで発表)

 

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