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オンズローラビットアイ

甘くて美味しい、種のザラザラ感もなく口当たりよし
収穫時期 7月中旬から8月中旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2012年
栽培本数 10

【総評】

甘くて美味しい品種ではあるが、ラビットアイ系の中で特に優良品種ということはなく、特筆すべき長所は見当たらない。樹勢はラビットアイ系では弱い方で、少し貧弱で頼りない感じ。お客様の評判になるようなことはなく、地味な存在。パテント品種になっているが価値ある品種とは思えない。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは中程度からやや大きい。サイズではないが、ブルームが少なく、果実の色が黒っぽいのが特徴で、メンデイトに似ている。

美味しさは、ラビットアイ系特有の甘くて美味しいが、酸味がなさ過ぎて、飽きてくるのが早いかもしれない。単調な甘さでホームベルの甘さと似ている。果実品質は、皮が薄く、種のザラザラ感がないので、とても口当たりがよい。また香り・風味もよい。ただお客様に与えるインパクトが弱いので、アンケートで美味しい品種として、この品種が上がってくることは、ほとんどない。

 

【収穫量・育てやすさ】

収穫量は中程度。ラビットアイ系としては少ない方の部類に属する。樹形がコンパクトで、樹勢が弱いので収量は期待できない。

育てやすさについては、成木になるまでは順調に育つ。ただ実を付け始めてからは、思わしくない。枯れるほどではないが、年々樹勢が弱り、果たして10年以上頑張ってくれるか心配。樹形は縦型なので、場所を取らないし、仕立てやすい。

(2022年追記)
本当に地味な存在でお客様の話題になることはないのが残念。それでもラビットアイ系なので、ハイブッシュ系のような弱さはなく、毎年地味に活躍してくれて、他品種の引き立て役になっているような存在。

 

【収穫期】

7月中旬から8月中旬。

オンズローを導入した理由は、カタログ上で最晩成になっているからだった。しかしながらその期待とは裏腹にお盆で完全に終わってしまう。この農園でお盆を過ぎて、8月末までしっかり実を付けているのは、ラヒバルドウィンメンデイトの3品種しかない。この最晩成品種が手薄なので、フクベリー、オンズロー、ディソットを補強する意味で導入した。ディソットはまだ経過観察中だが、フクベリーとオンズローはまったく期待外れで、7月中旬には成熟がスタートして、ギリギリお盆までもつが、お盆を過ぎると完全に終わっている。成熟スタートが8月から、のような最晩成品種のリリースが望まれる。

 

【最後に】

パテント品種(誓約書が必要)にもかかわらず、長所を見つけるのが難しい。同じパテント品種のハーモニーと同じような存在。「パテント」という言葉に惑わされず、本当の良さや価値を見極めたいものだ。

(2001年 ノーズカロライナで発表)

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