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メンデイトラビットアイ

食べたらわかる!美味しさは隠れ一番人気品種
収穫時期 7月中旬から8月下旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2006年
栽培本数 35

【総評】

クラシックな品種でまったく目立たない存在だが、「隠れ1番人気」品種。その美味しさは後述するとして、ブルーベリーの標準品種のブライトウエルパウダーブルーの親としては、ティフブルーがよく語られるが、もう一人の親であるメンデイトの血も色濃く受け継がれている。優良品種を生み出している、その特性は素晴らしい。メンデイトはホームベルと兄弟品種にあたる。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは中粒。成熟初期は大粒もあり。
美味しさは、甘さの中に微妙に酸味があり、ツウもうなる味わい。表現が難しいがダラっとした味ではなく、「ピリッとした切れ味」がある感じ。お客様のアンケートでも、メンデイトが美味しかったという回答がとても多い。果実は柔らかめでジューシーな味わいでもある。またブルームが少なく、見た目が黒光りしているのも特長。

目立たないが、美味しいというエピソードを2つ。

——–(エピソード)——————————

セミナーの中で「新品種に注目が集まりがちだが、古い品種でも優秀な品種は数多くある」という話をしたときに、その具体例としてメンデイトの話をした。そうしたら、、、、、講座が終わったあとの懇親会で、ある受講者がこんな話をしてくれた。

家族でブルーベリー狩りにお邪魔したときに、こどもが「美味しい、美味しい」といって夢中になって食べているので、その品種名を写真に撮っておいたそうです。それで振り返って写真を見てみたら、メンデイトでした、、、と私にその写真を見せてくれました。私自身は、「やっぱり」とニンマリしました(笑)

ジャニーズがロケに来た時もメンデイトを食べて、「ブルーベリーってこんなに美味しいの」と言っていた。メンデイトは見栄えがしないので、テレビ中継で台本上では紹介予定はないが、タレントさんが来て、メンデイトの美味しさに魅了され、予定変更で本番で紹介されたことが今までも多々ある。

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【収穫量・育てやすさ】

収穫量はやや多い。

育てやすさについては、樹形自体はそれほど大きくないが、生育旺盛で問題なく育つ。花芽が無数に付くので、剪定はやや面倒かもしれない。また暑さにはめっぽう強く、猛暑日が続くと果実がシワシワになったりする品種もあるが、このメンデイトには当てはまらない。多分、水を吸い上げる力が強いからだろう。水さえ切らさずに与えれば、いくら暑くても長期間にわたり果実品質を保てる。ただ、店頭売り、通販、出荷には向かない。そもそもの果実自体が柔らかく、収穫して2日目以降に、果汁があふれ出してしまうことがよくある。だからこの農園では、パック詰めして店頭販売用にはメンデイトは混ぜない。

 

【収穫期】

7月中旬から始まり、8月末まで長期間の収穫可能。

メンデイトで特徴的なこととして、熟すスピードが「超スロー」ということが挙げられる。その株全体の果実が熟すのに要する時間は通常3-4週間が標準。デュークやクライマックスは一気に熟すので1-2週間で全体が色づく。これに対して「超スロー」な品種は、このメンデイトとバルドウィンラヒも長いがもう少し短い)で、実に約8週間に渡り、ゆっくりゆっくり熟していく。7月中旬に始まり、閉園する8月下旬でもしっかり実を付けている。

とりわけメンデイトは、むしろ遅すぎる印象で、閉園時にも色づいていない緑色の果実がかなり残っているほど遅い。観光農園にとっては、ゆっくり熟してくれた方がメリットが多いが、ここまで遅いとむしろ「もったいない」というデメリットの方が多い。

 

【最後に】

総評にも書いた通り、クラシック品種で目立たないが、素晴らしい品種。標準品種であるブライトウエルやパウダーブルーの親にあたり、いかにポテンシャルが高いかが伺える。これは私の個人的な感想だけでなく、お客様も高い評価をしているから間違いない。それにもかかわらず、最近は苗木屋さんのリストからも消えてしまい、ますます存在感が下がっているのは残念な限りだ。経営的には、パテントの新品種を売り出した方が利益が上がるのはわかるが、メンデイトのような古き良き品種をおろそかに扱うのは、ブルーベリー業界の健全な発展にとっては、いささか疑問を呈せざるを得ない。

(1958年 ノースカロライナ発表)

 

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