バルドウィンラビットアイ
収穫時期 | 7月中旬から8月下旬 |
果実サイズ | |
甘味レベル | |
酸味レベル | |
育てやすさ | |
収穫量 | |
栽培開始時期 | 2006年 |
栽培本数 | 78 |
【総評】
ブルーベリー品種群の中で、シーズン最終盤を彩る最晩成品種。果実が柔らかく、雨による裂果を除けば、食味、育てやすさ、収穫量など長所がいっぱいの優良品種。
【サイズ・美味しさ】
サイズは中粒からやや大粒。
美味しさは、なんとも言えないフルーティーな味わいで、糖度も高く、微妙な酸味もあり最高ランク。果実は柔らかめでジューシーなのは観光農園としては、まったく問題ないが、出荷用には適さない。ジューシーがゆえに、日持ちしないのと、時間とともにお尻から汁が噴出してくるのでパック詰めに向かない。市場クレーム、お客様クレームの要因になる。
【収穫量・育てやすさ】
収穫量は安定して多い。
育てやすさは、いくつか手間のかかる要因はあるが、致命的なものではないので問題ない。手間がかかる要因として挙げられるもは、樹形が横型なので、ほっておくと通路にはみ出すことが多く、仕立てるのに少し厄介。春先に枝枯病(枝が黒ずんで枯れる病気)が頻発する。ブライトウエルも同じ傾向があるが、いずれも病気になった部分を切除してやれば、大きな被害につながることはない。雨には弱く裂果は多い。理由は房なりする傾向が強いからだと考えている。
また花芽の数が異常に多いので、枝の先端を切除したり、花芽をところどころ間引いたりする手間がかかる。この辺はマメに手入れをすべき。
【収穫期】
7月中旬から始まり、8月下旬までしっかり樹上で日持ちする。ブルーベリーは通常、収穫期は3~4週間で終了するが、バルドウィンは6週間にも及び、観光農園としては有難い存在。また手薄になるシーズン最終盤の8月下旬でもお客様を楽しませてくれるのは頼もしい。フクベリー、オンズローなど最晩成をセールスポイントにしている品種があるが、まったく期待外れで、お盆で終了してしまう。一方このバルドウィンは、名実ともに最晩成に相応しい品種だ。
(2022年追記)
最晩成といって間違いないが、同じバルドウィンでも早熟なものと本当に晩成なものが存在して一様に同じではなく、個性的といえる。早熟な場合は7月上旬から熟し始めてしまい、多品種に押され気味な感じ。この品種はやっぱりスローでゆっくり熟し始める晩成品種の個性を存分に発揮してほしい。
【最後に】
お盆を過ぎても、たわわに実をつけているので、頼りになる存在。いくつか割引材料はあるが、総合的に考えれば間違いなく優良品種だ。この農園では、100本以上栽培しているのは、ブライトウエルとラヒの2品種だが、その次に多いのがバルドウィンになる。本数が多い=信頼度・評価が高い、からだ。
(1985年 ジョージアで発表)