サザンハイブッシュ概論サザンハイブッシュ
収穫時期 | 6月上旬から7月中旬 |
果実サイズ | |
甘味レベル | |
酸味レベル | |
育てやすさ | |
収穫量 | |
栽培開始時期 | 2006年 |
栽培本数 | 300 |
ここでは、サザンハイブッシュ系の一般的な傾向についてお伝えする。この系統には、多種多様な品種があり一括りにはできないが、多くの品種に共通する傾向と捉えていただき、例外もあることをご承知おきください。品種選定にあたっては、個別の品種解説をご覧ください。
【総論】
1970年代半ばに発表された比較的新しい系統。それまで主流だったノーザンハイブッシュ系の果実品質を暖地でも再現したいという目標で開発された。ノーザンに比べ開発スピードは異常に速く、現在でも魅力的な新品種が続々と登場している。ただいまだに株自体の脆弱性は克服されず、育てるのは難しい。栽培適地は東北南部よりも南で、ラビットアイ系とほぼ同じ地域が適地。
【サイズ・美味しさ】
サイズは、最近登場する新品種は大粒なものが多い。ただ小粒な品種の方が強く、大粒な品種ほど脆弱な傾向がある。
美味しさは、ノーザンハイブッシュ概論でも書いたように、ノーザン、サザンとも「酸味と甘味のバランスが良い美味しさ」という表現をすることが多いが、サザンの方が甘味が強く、一般的にはサザンの方が美味しいと感じるお客様が多い。従って、ラビットアイ系も含めて3つの系統の中でもっとも美味しい系統といって差し支えない。オニールに代表されるように完熟したサザンハイブッシュ系の美味しさは格別。
【収穫量・育てやすさ】
収穫量はノーザンハイブッシュ系と同様に4㌔程度、これ以上実をつけると翌年、株が顕著に弱る。ちなみにラビットアイ系は剛健なので、8㌔ほど収穫しても全く問題ない。
育てやすさは、難しいと言わざるを得ない。かなりデリケートで栽培適用範囲が非常に狭いと感じる。前述のように実のつけ過ぎると、一気に弱って回復することなく枯れていくので、かなり気を遣う。
品種開発のスピードが早く、毎年数多くのサザンハイブッシュ系新品種がデビューする。カタログ上は非常に魅力的なコメントが並び、導入してみるが、なかなか長期的安定的に育ってくれる新品種はほとんどないのが現状。魅力的な新品種を試験的に試してみるのは評価できるが、間違っても主力品種にすることは、避けるべき。リスクが大きすぎる。
いまのところ、この農園で安心して育てられるのは、シャープブルー、ジュエル、マグノリアくらいで、いずれも新品種ではない。
【最後に】
この極上の美味しさを安定的に栽培できるかが、ブルーベリーの世界の課題だろう。これができるようになったらブルーベリー№1農家になれること間違いない。そのくらい魅力的だが、リスクも大きいという悩ましい系統だ。