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シャープブルーサザンハイブッシュ

6月の品種では甘さ№1、こどもたちから人気のジューシーな品種
収穫時期 6月中旬から7月上旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2006年
栽培本数 18本

【総評】

サザンハイブッシュ系は、甘味酸味のバランスが良いのが特長だが、シャープブルーは甘味が勝った「甘い」品種だ。あと果実が柔らかくジューシーなのも特長。生育も旺盛で育てやすい。ホームセンターの園芸コーナーでもよく見かけるポピュラーな品種。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは中粒。サイズではないが、果実は柔らかくてジューシー。柔らかいゆえ、日持ちしないので出荷には向かない。知り合いの出荷中心の農園では、シャープブルーとジュエルが柔らかい品種なので、他品種と区別して別管理している。

食味は、前述の通り甘さが特長の品種。成熟期が6月の品種は、甘さが際立っている品種はほとんどない。甘くてもスッキリした甘さという表現が相応しい品種群の中で、このシャープブルーだけは甘さが明らかに勝っている。6月にお客様から甘い品種を教えてくださいと言われたら、この品種をおススメする。

地元の小学生を招待したときに(6月)、人気投票をさせたら、このシャープブルーが1位を獲得した。こどもたちは、とりあえず甘くて、ジューシーな品種が好きなのかもしれない。こども受けする品種ともいえる。

 

【収穫量・育てやすさ】

収穫量は中程度だが、安定しないのがネック。これについては後述する。

育てやすさの点では、安定した育てやすさが期待できる。樹勢が強く、苗木の段階からグングン大きくなる。太い新梢が次々に吹き出し頼もしいかぎりだ。あまりにも生育がいいので、ついつい水のやりすぎで過湿になりがちになるが、これは禁物。やはりサザンハイブッシュ系なので過湿は嫌って枯れることもよくある。

常緑性の性質があり、冬でも落葉せずに越冬する。また四季成りの傾向もあり、秋にもよく実を付ける。まだ周年栽培の技術は確立されていないので、なんとも言えないが、周年栽培の候補としていつも名前があがるのもシャープだ。ジュエルやミレニアもこの傾向が強い。

先述の収穫量が安定しない理由については、次の2つがあると考えている。1つは、樹勢が強く、常緑性も強いゆえ、栄養成長が強すぎて、生殖成長がおろそかになりがちだということ。これについては春先の肥料を控えめにして対策している。もうひとつは、開花が早すぎること。通常ほとんどの品種は4月開花だが、この品種は3月に開花してしまう。だからミツバチやマルハナバチが飛んでくる前に開花してしまう。自家和合なので虫による多品種の花粉が必要なわけではないが、ハチが飛来前に開花してしまうのも原因と考えている。

 

【収穫期】

オープン週には間に合わない、2週目3週目が成熟期。ミレニアと同時期、ブルーレイよりも2,3日早い。6月中旬を彩る品種。

 

【最後に】

収穫量が安定しないのと果実の柔らかさに問題はあるが、脆弱さが目立つサザンハイブッシュ系において、例外的に安心して育てられる点と果実が甘くて美味しい点が強みの品種。こども受けするので観光農園にはぜひ揃えたい品種。上述の特徴は、同じサザンハイブッシュ系のジュエルと酷似しているが、シャープとジュエルを比較して微妙な違いなどを明確にした。これについてはジュエルのページを参照いただきたい。

→ジュエルのページへ

(2022年追記)
果実品質が柔らかいのがデメリットだが、観光農園であれば、全く問題ない。ここ2年ほど成木の大株を購入しているが、シャープブルーがあれば迷わず選んでいる。古い品種だが、価値ある品種なので、本数は増やしていく予定。

 

 

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