オクラッカニーラビットアイ
収穫時期 | 7月中旬から8月中旬 |
果実サイズ | |
甘味レベル | |
酸味レベル | |
育てやすさ | |
収穫量 | |
栽培開始時期 | 2009年 |
栽培本数 | 41 |
【総評】
大粒で皮が薄く種が小さいという、ラビットアイ系らしからぬ果実品質を誇る。美味しさ、育てやすさ、収穫量も兼ね備えたも魅力のパテント品種。ティフブルーが親になり、類似しているので、両者の比較を後述する。
【サイズ・美味しさ】
サイズは、比較的大粒といえる。販売用カタログを見るとティフブルーの1.2倍の大きさと書いてあるが、その程度だと考えていい。ただ大粒が売りの品種ではなく、次のように果実品質が売りの品種。
美味しさは、甘酸バランスも良く美味しいが、オクラッカニーでもっとの誇れるのは果実品質だ。通常ラビットアイ系は、ハイブッシュ系に比べ、食味は見劣りしない(むしろラビットアイ系の方が美味しいくらい)が、果実品質が劣る。具体的に言えば、果実サイズが小さく、皮が厚く、種が大きくてザラザラ感がある、、、などが挙げられる。しかしながら、この品種は、これらのマイナス面をまったく感じさせず、ハイブッシュ系に混ぜても最上位にランクされるほど果実品質は優秀。お客様のファンも多い。
(2022年追記)
ラビットアイ系の晩成種は飽和状態で本数を増やすことはほとんどないが、この品種は果実品質が秀逸なので、増やしてみた。
【収穫量・育てやすさ】
収穫量は多い。ただ販売用カタログを見るとティフブルーの1.7倍となっているが、この表現ははなはだ疑問。ティフ自体が豊産性で十分すぎるくらい収量があるにもかかわらず、その1.7倍も収穫できるのか、、、そんな化け物みたいなブルーベリーはあるのだろうか。
育てやすさは、問題なく育つ。面倒なのは、花芽が異常なくらい付くので、剪定や摘花・摘果作業にかなり時間を割かれること。特に摘花・摘果作業は状態を見ながらの手作業になるため、余計に煩雑だ。また親であるティフブルーと比べると寿命はやや短い感じがする。樹勢が弱ってくるのはティフより早い。
【収穫期】
7月中旬から8月中旬。ティフブルーよりも4,5日遅い。お盆がギリギリ、食べられる最後のタイミング。
————(コラム:オクラッカニーとティフブルーの比較)—————————-
■果実サイズ
オクラッカニー>ティフブルー
■美味しさ・果実品質
オクラッカニー>ティフブルー
■収穫量
オクラッカニー=ティフブルー
■育てやすさ
オクラッカニー<ティフブルー
*ティフは10年たってもまったく衰えないが、オクラは10年で衰えが見える。
■雨による裂果
オクラッカニー>ティフブルー
*オクラが雨に強いわけではなく、ティフが雨にとても弱いと考えた方がいい。
■猛暑への耐性
オクラッカニー<ティフブルー
*ティフは最強レベル。オクラは10日以上の猛暑で果実品質が明らかに劣化してくる。
■収穫期間の長さ
オクラッカニー<ティフブルー
*ティフは5~6週間の長きにわたるが、オクラはせいぜい4週間もてばいい方。
【最後に】
ティフブルーとメンデイトの交配から生まれた。同じ組み合わせにブライトウエル、パウダーブルー、コロンブスがあり兄弟品種になるが、コロンブスとオクラッカニーはティフブルーにあまり似ていない気がする。上述のティフブルーの比較を見てもわかるように、かつての標準品種ティフブルーをすべての面で凌駕するような品種はなかなか出現してこないことがわかる。クラシック品種ティフブルーの秀逸さを改めて思い知らされる。