プルノーザンハイブッシュ
収穫時期 | 6月中旬から7月上旬 |
果実サイズ | |
甘味レベル | |
酸味レベル | |
育てやすさ | |
収穫量 | |
栽培開始時期 | 2006年 |
栽培本数 | 40本 |
【総評】
ニュージーランド3兄弟(レカ、プル、ヌイ)の中で、プルは香りと果実品質が際立っている。上述の点数評価の中に香り、果実品質という項目がないので、点数では表せないが、果実品質としてはトップクラス。ちなみに豊産性で育てやすいレカ、大粒のヌイとこの3兄弟はそれぞれが個性的で面白い。このニュージーランド3兄弟の比較は、後述する。
【サイズ・美味しさ】
サイズは中粒だが、プルの果実は品質が最高クラス。ブルーベリーにおいて果実品質とは何か?と思われる方のために説明すると果実品質=果実の硬さ、ということだ。この農園の品揃えの中には「柔らかい」品種も多々ある。狩りをして、もいですぐに口にするのであれば、柔らかくても何ら問題はないが、7~10日以上保存したり、輸送したりすると柔らかい品種は品質を保持できない、傷んでしまう。だがプルは硬くて品質が良いのでこの点は問題がない。
美味しさは、ノーザンハイブッシュ系にしては、甘みがあり、特に素晴らしいのは香り。何とも言えない良い香りがする。
【収穫量・育てやすさ】
収穫量は、多収とまでは言えないが、ある程度の期待はできる。
育てやすさも問題なく、レカほどではないが、長期間にわたり優良品質の果実を生み出してくれる。
(2022年追記)
定植して15年が過ぎるとプルは、ほとんどの株で弱っている。レカがまだまだ健在なのに比べると株の寿命は早い。ただレカが異常なくらい丈夫なのであって、プルが決してひ弱なわけではない。弱っている株は来年入れ替え予定。
【収穫期】
レカ、ヌイはオープン週にバッチリはまり主力品種だが、プルは4,5日遅れる。従ってオープン週でもチラホラ食べることはできるが、食べごろとしておススメできるのは、オープン2,3週目。ブルーレイよりは逆に4,5日早く熟す。
欠点として、色づきが悪い。赤みが残ったままで、完全に紺色にならない果実がかなりある。赤みがあるから「未熟で酸っぱい」気がするが、赤いままでも美味しく食べられる。ただ当然、赤みが残ったままだと、お客様も食べないし、店頭売りもできず商品価値が下がる。品種が持つ特性なので解決策は見つからない。
—–(コラム:ニュージーランド3兄弟の比較)———-
■熟期 レカ=ヌイ→プル(レカとヌイは同時期、4,5日遅れてプル)
■豊産性 レカ>プル>ヌイ
■育てやすさ レカ>プル>ヌイ
■寿命 レカ>ヌイ>プル ←2022年追記
■果実品質 プル>ヌイ>レカ
■果実サイズ ヌイ>プル>レカ
同じ兄弟でもクッキリ違いが明確で、個性豊か。
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【最後に】
秀逸なところが果実品質という目立たない点なので、ブルーベリー狩り観光農園では地味な存在。
ただ確実に美味しい果実を実らせてくれる有難い存在でもある。定植して10年以上すると株が弱ってきているので、補強する意味で久々に苗木を定植する予定。
(プル 1988年 ニュージーランドで発表)