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デュークノーザンハイブッシュ

樹形の美しさはピカ一、食べるならオープン週がベスト
収穫時期 6月上旬~下旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2006年
栽培本数 17本

【総評】

デュークの樹形はひと際、美しい。

果実の形が美しい品種もあるが、デュークは樹形が美しく、ヨーロッパの貴婦人をイメージさせる気品のある美しさ。

その樹形の美しさとは裏腹に、果実の美味しさは、イマイチと言わざるを得ないのが残念。但し、早生品種でオープン週の主力品種であるが、オープン1週間の美味しさは合格点。1年間オープンを心待ちにしていたファンの方には人気品種だ。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは標準的なサイズでバラツキは少なく、粒ぞろい。

食味は、ピリッとした特長がないのが難点。上述の甘味・酸味レベルが平均的な3点であるということがそれを物語っている。但し、オープン週はお客様に満足いただける合格点には達している。極早生品種のため、6月上旬オープン時の主力品種であるが、成熟期初期であれば、お客様からの評価は意外に高い。

理由は、成熟期初期は酸味がある程度効いていて、食味に切れ味がある。ただこれが2週間3週間という時間の経過とともに酸味が抜けて、ダラッとしたボケた味わいになってしまう。この点はスパルタンと類似するところだ。

ノーザンハイブッシュ系の食味は、酸味が特長である。成熟期後半に入ると酸味が抜けてくるが、このときに酸味が抜けて美味しくなる品種と逆に不味くなる品種の2パターンに大別されるデュークは後者の代表格品種、その他にスパルタン、ヌイなど。だからオープニングにお越しになったお客様には、迷わずデュークをおススメする。ちなみに前者の代表格品種は、ブルーレカ、ブリジッタ、レイトブルーなどが挙げられる。

(2022年追記)
昨夏は天候が良かったからかもしれないが、熟期最終期(成熟が始まって1か月後くらい)に食べてみたが、意外にもほんのり甘くてやさしいマイルドな甘さで美味しかった。お客様の評価も上々だった。熟期中ごろは冴えないが、熟期初期と最終期はおススメといえる。

 

【収穫量・育てやすさ】

収穫量はノーザンハイブッシュ系の中にあっては、多いといっていい。

育てやすさは、樹勢が強く、グングン勢いよく育ってくれて頼もしい。突然死のようなこともないので、安心して育てられる。ノーザンハイブッシュ系の中ではもっとも背丈が高くなる。

 

【収穫期】

オープン週の主力品種のひとつ。

特長的なのは、成熟期初期に一気に全体的に色づくこと。オープン時(6月10日頃)には、全体の2/3が熟している状態。6月半ばではほぼすべてが色づいている。前述の通り、成熟期初期が美味しいので、6月中旬には食べ尽くされているのが理想的だ。

 

【最後に】

美味しさを除けば、とても優秀な品種。この美味しさも、成熟期初期は合格点なので、オープン週にご来園されたお客様には、デュークをおススメ品種としてご案内している。このように特長を把握したうえで育てれば、バリエーションのひとつとして揃えておきたい品種だ。

(1987年 米国農務省で発表)