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ブリジッタノーザンハイブッシュ

スッキリした甘さ、多収で丈夫なオーストラリア産品種
収穫時期 6月下旬~7月中旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2006年
栽培本数 31

【総評】

ノーザンハイブッシュ系の中では、ブルーレイと同様にオールマイティーな優良品種。美味しさ、サイズ、収量、育てやすさなどどれも合格点だが、その中で特に暖地適性が際立っていて、ノーザンハイブッシュ系ではダントツの暖地適性品種だ。ただブルーレイと比べるといくつかのマイナス点があり、総合力ではブルーレイに譲って、2番手の存在。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは標準以上で房なりするので、、見た目のも迫力がある。

美味しさは、ノーザンハイブッシュ系ではめずらしく甘みをしっかり感じられる品種。ただサザンハイブッシュ系、ラビットアイ系のような甘さではなく、あくまでスッキリした甘さ。

 

【収穫量・育てやすさ】

花芽の数(着花数)が非常に多く、樹勢も強いので、豊産性多収品種。

育てやすさも問題ない。特にノーザンハイブッシュ系では暖地特性が際立っている。これは暖かいオーストラリアで選抜されたことが理由と思われるが、ノーザンハイブッシュ系でありながら沖縄でもしっかり生育しているのには驚かされる。

ただ育てるうえで、注意点が2つ。1つは、害虫がとても好む品種で、あらゆる害虫がつく。もともと丈夫な品種なので、害虫によって枯れてしまうことは、ほとんどないが、いつもブリジッタの前を通るときは、害虫がいないか観察する必要がある。

もうひとつは、着花数が異常なくらい多いので、摘花、敵果を丁寧に時間をかけてしないと果実が混みあって変形したり、果実肥大を阻害したりする。写真を見ても房なりして果実がかなり混みあっているのが想像できるのではないだろうか。ブドウ栽培では、果実1つ1つが大きなサイズのなるように、摘粒作業を念入りにしているが、これと同じ作業をしなくてはならないのは、かなりの手間だ。

このように育てやすさは問題ないが、生育してから手間のかかることが2つあるため、育てやすさの評価を5点ではなく4点とした。

(2022年追記)
樹勢の強さ、育てやすさでは、ノーザンハイブッシュ系では、ブリジッタとレカが双璧。ただブリジッタは、前述の通り害虫が好む品種№1なので、常に注意深く観察する必要がある点で育てやすさの総合評価ではレカの2番手となる。

 

【収穫期】

ノーザンハイブッシュ系では晩成種に分類される。ブルーレイよりももう1週間遅く、早くてもオープン3週目以降になる。

6月最終週と7月第一週が食べごろ。

 

【最後に】

近年、温暖化により夏の暑さが非常に厳しい。暑さに弱いノーザンハイブッシュ系にとっては、暑さ対策が大きな課題である。しかしながら、このブリジッタに限っては、沖縄のハウスの中でも十分な生育をするほど、暖地適性は抜群。温暖化が進む中で、さらに存在感が増す品種だ。

(ブリジッタ 1978年 オーストラリアで発表)