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ミスティサザンハイブッシュ

独特の食味と香りは最高ランク、但し気難しく育てにくい
収穫時期 6月中旬から7月上旬
果実サイズ
甘味レベル
酸味レベル
育てやすさ
収穫量
栽培開始時期 2010年
栽培本数 14本

【総評】

食味、食感、風味どれをとっても最高ランクの果実品質を誇る。かつてのハウス促成栽培の主力品種だが、生育が相当気難しく、最近では敬遠気味。新品種の台頭で存在感が薄れつつある。

 

【サイズ・美味しさ】

サイズは中粒からやや大粒程度。

美味しさは、多少クセがあると感じる人もいるかもしれないが、独特の味わいと香りで美味しい。果実はパリッとした食感で、硬いので日持ちするため果実品質も申し分ない。

 

【収穫量・育てやすさ】

収穫量は中程度からやや多い、という表現が適当なのか悩ましいところ。というのは、花芽の数が異常に多く、大半の花芽を落さなければならない。適正な収穫量という意味で「中程度からやや多い」とした。

育てやすさについては、注意点が多く、手を焼く。まず苗木の段階から枯れるものが目立つ。他の農園を見学したときに、ミスティが枯れているのをよく目にする。ただ生育環境がハマったものは、グングンと目を見張る生育を見せ、この辺は両極端だ。サザンハイブッシュ系特有のデリケートさゆえ、成木まで行っても安心できず、突然枯れこむここともある。ノーザンハイブッシュ系スパルタンとこの辺は類似しているが、スパルタンは苗木での段階で枯れこむことはほとんどない。

成木になったらなったで、剪定・摘花・摘果作業はかなりの手間になる。理由は前述の通り花芽の数が異常なくらいに多く、花芽の数は5分の1程度まで減らす必要がある(通常は半分程度に減らす)。また開花は2月くらいからドンドン成長して3月に開花するくらい早い。

この農園では、初期に植えた挿木苗は現在は1本も残っていない。その後メリクロン苗(バイオの苗)も失敗。最後の挑戦と考えて、接木苗を導入したら、なんとか順調に生育して枯れることがなくなった。いまのところ接木苗ならなんとかなると考えている。

また、特徴として「常緑性」がある。真冬でも落葉せずにツヤのある濃い緑色の葉っぱがいっぱいで、さながら”ツバキ”に似ている。

(2022年追記)
接木苗にしたことによって生育は安定した。2021年シーズンは豊作でパリッとした食感となんとも言えない味わいでお客様を魅了した。ただ新品種の台頭で、本数的には現状維持の予定。

 

【収穫期】

一番果候補ではないがオープン1週目からいける。

 

【最後に】

育てることにたいへん神経を使う品種。従って育て方の解説がとても多くなってしまった。かつてはハウス促成栽培の主力品種で、愛媛県などでよく育てられていたが、近年はその気難しさから敬遠され、あまり見かけなくなった。しかしながら果実品質は抜群で、スパルタンと同じように接木苗を使うなどして工夫さえすれば、ぜひ揃えておきたい品種だ。

(1990年 フロリダで発表)

 

 

 

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