なぜ、「ブルーベリーは小粒で酸っぱい」というイメージが定着しているのか?

こんにちは。
ここにしかない極上ブルーベリーの楽園オーナーです。

 

今日は、なぜ、「ブルーベリーは小粒で酸っぱい」というイメージが定着しているのか?について語ります。

2006年、脱サラ農起業を決意して、会社を飛び出したが、まだ何を栽培するか決めていなかった。自宅の庭で数本のブルーベリーを栽培していたこともあり、ブルーベリーも候補の中にあったが、優先順位は低かった。というのも、自宅で地植えで育てているブルーベリーはとにかく小粒で酸味が強かったから、これがビジネスになるとはとても思えなかったからだ。

 

詳しい経緯は省略するが、第一候補だったイチゴ栽培は生産性の低さから早々に断念して、次なる候補を探して全国を歩いていた。ブルーベリーも地植えの農園を何か所か見学させてもらったが、「小粒で酸っぱい」という固定観念を払拭することができなかった。そんな折に前から気になっていたブルーベリー農園を見学させてもらった。この農園に伺って、まず驚いたのはブルーベリーの木がとにかく大きく逞しく育っていたこと。これまで見て来た地植えの農園のブルーベリーは栄養失調気味で、やせ細って子孫を残すために必死で実を付けている印象で、見ていて痛々しかった。それに比べ、この農園のブルーベリーは元気いっぱいで頼もしく、圧倒的な生命力を感じた伝わってくるエネルギーも半端なく、「生きていて楽しい」と言わんばかりに、たわわにブルーベリーを実らせていた。また果実も「大粒で甘い」「まったりした味わい」でこれまでの「小粒で酸っぱい」固定観念をくつがえすものだった。

 

この農園で採用していたのは、地植えではなく、鉢植えの養液栽培だった。これを知って衝撃が走った。それ以来、養液栽培について時間のある限り調べ、研究会に所属し、農家を訪ねた。そこでわかったことは、当たり前と言えば当たり前で、基本中の基本「植物には原産地があり、その生育環境が最適。だから原産地の生育環境に近づけることで、その植物本来の潜在能力を最大限発揮することができる」ということを改めて再認識した。

 

ブルーベリーの場合、北米原産の温帯果樹で、日本に置き換えてみると四季のある気候は問題ないが、決定的に異なるのは「水はけがよく、水分も適度に保つ、酸性土壌」が日本の自然界や農地にほとんど存在しないことだ。さて、これをどう解決するのか?。適していない土壌に植え付けて、無理やり日本の風土に適合させるのは、どう考えても無理があり、良質なブルーベリーを栽培できるとは、到底考えられない。ならば北米の土壌環境を人工的に整えてやれば、本来の「大粒でまったり甘い」ブルーベリー果実の生産が可能だということがハッキリわかった。

 

私の好きな言葉の中に、心理学者ユング博士の自己実現についての言葉がある。それは「自分の内なるに能力を最大限発揮して、真の自分らしさを体現する」だ。この言葉と養液栽培によって原産地の土壌環境を再現することが、ピタッと結びついた。ブルーベリーも人間と同じ生き物である限り、「潜在能力を最大限引き出してやることこそが、究極に美味しいブルーベリーをつくること」だと自分の中でストンと腑に落ちた瞬間だった。スパルタ式の地植え栽培ではなく、ブルーベリー本来の潜在能力を引き出すための環境づくり、すなわち「ブルーベリー養液栽培」こそが、最適な栽培法だと確信し、導入を決意した。

 

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