脱サラ農業した訳


Q:なぜ大企業の管理職を辞めてまで

A:「組織に縛られず輝きたい」「とことん大好きなことをやろじゃん」
サラリーマンは40歳手前くらいで会社組織の中での自分のポジションがはっきり見えてきます。仕事が楽しくて仕方がない人は別にして、大半の人は自分の将来辿る道が明るいものでないことを悟って憂鬱になるものです。特に管理職になってからは、長時間労働のうえに、人間関係・組織の壁に悩むことも多く肉体的にも精神的にも最も辛い時期で私も何度かうつ状態になり、中間管理職の悲哀をそのものでした。「自分は何のために生まれてきたのか」「これからの自分に何ができるか」と自問自答する毎日が続き、日に日にその想いは強くなり、とうとう抑えることができなくなってしまいました。人間追い込まれると強いもので「会社での自分の役割は終わった、これからはとにかく大好きなものに情熱を注ぐ」こんな方向転換をあっさり決断しまったわけです



Q:なぜ農業なのか

A:「生命を育む仕事がしたい」
私はもともと動物を飼ったり、花を育ててみたりするのが大好きでした。農業のきっかけは長女がアレルギー性の病気を患ったときのことです。原因ははっきりはわかりませんが私は直観的に食生活と住環境が原因ではないかと思いました。ちょうど家を建てようとしていた頃で家は完全なエコ住宅にしました、他方食べ物は安全なものは自分でつくるしかないと考え、畑を借りて無農薬栽培を始めたのです。これに嵌りました。お日様の元、額に汗して生命を育む仕事がこんに楽しいことを初めて知りました。サラリーマンを続けながら休日は畑に出る日々が続くうち、いつしか次の仕事はこれしかないと予感させるものでした。幸いにも両親が農地を所有しており転進する筋道は用意されていたのです。



Q:脱サラして何をすべきか?

A:「とにかく大好きなことをやる、そしてこれに集中する」
脱サラして生活していくためには、相当の覚悟と努力が必要です。一生懸命やる、情熱をそそぐ、集中する、これらを継続していくためには、「大好きなこと、やりたいこと」をやるしかないのではないかと思います。儲かりそうだからやる、では長く続かないのではないでしょうか?よく「やりたいことがない、けど脱サラしたい」という方がいらっしゃいますが、この場合はよく考えた方がいいと思います。またやりたいことがあるのであれば、会社を辞める前に少しずつ勉強しておく必要があります。「忙しくてそんな暇ない」といっているだけでは前に進みません。休日のわずかな時間でも構わないのでコツコツ継続して準備することが大事です



Q:家族はどうやって説得したのか?


A:「想いだけではなく、具体的な将来設計も説明が必要」
これが最もハードルが高いですね。多くの方がこれで断念します。私の場合は10年くらい前から「定年まで勤めるつもりはない。いつか好きなことをやる!」と妻にはたびたび宣言していましたのでそれほど大きな衝撃はなかったと思いますが、まさか本当に?やるとも思っていなかったでしょう。脱サラで最大の問題点はもちろん、経済的な問題です。独身であれば何とでもなりますが家族を養って、子供も大学に行かせてやらなければなりません。家族の説得は気合だけではどうにもならないと思います。特に妻には少なくとも子供の大学卒業までのライフプラン・キャッシュフローを具体的に説明し不安感を払拭してあげる必要があります。それと家族の絆・信頼関係が重要であることは言うまでもありません。これらの信頼関係は一朝一夕にできるものではなく、長い時間を掛けて築き上げていくものです。


Q:今、振り返ってみての感想は?  →2008年5月時点

A:「毎日楽しくて仕方がない」
まだ何の稼ぎもなく成功したわけでもないので、偉そうなことは全くいえませんが、毎日が楽しいことだけは紛れもない事実です。もちろん将来に対する不安もありますが、期待感の方が遥かに大きくワクワクする毎日です。サラリーマン時代に悩まされためまい、胃痛、不整脈、高血圧、情緒不安定、これらから全て開放されました。それだけではなく不平不満ばかり言っていた会社に対する想いがガラッと変わって、今は感謝の気持ちで一杯です。転進支援制度という仕組みもありがたいですが、21年の間にいろいろな考え方、テクニックを身につけさせてもらいました。パソコン、原価計算、損益計算、企画立案等々ITから取り残された農業の世界ではとりわけこれらが役立ちます。私の脱サラ就農の成果はまだ出ていませんが、後に続こうと考えていらっしゃる方の一助になればという思いで夢を追い続けます。



Q:脱サラを考えている方へひと言

A:「運命は自分で切り開くもの」
生まれる前から決められている運命は必ずあります。恵まれた人、不幸な境遇の人と様々でしょう。でもある日「自分で切り開くもの」だと意識した瞬間、運命は切り開けるものにチェンジするものだと思います。自分の境遇を嘆いていても何も事態は好転しません。一歩踏み出せるかどうかです。ちょっと大げさになりますが「自分の生まれてきた役割と使命」のようなものに気づきはじめてきたら本物です。一歩踏み出して「自分の夢を語りましょう」、きっと応援してくれる人たちを引き寄せて助けてもらえるはずです。